かめの歩みも千里

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なんとも言えない読後感。不動産営業マンを描いた『狭小邸宅』は仕事とは何かを考えさせられる一冊。

      2016/02/02


以前から読みたかった本に『狭小邸宅』という本がありました。
なんの本で知ったのかは忘れましたが、何かの本で『狭小邸宅』について書かれていて読みたいなと。

単行本のみの販売でしたが、2015年2月に文庫化されたので買って読んでみました(読みたかったワリに買うまで時間がかかった)。

『狭小邸宅』はお仕事小説のジャンルになると思います。
お仕事小説は新しく出来たジャンルの小説で、いわゆる企業小説とは似て非なるものです。

企業小説は実際に合った事実に対して、小説という形で描く准ドキュメンタリーの色合いが強い小説です。

一方、お仕事小説とは仕事という面にフォーカスを当てた小説で、完全なるフィクション(エンターテイメント)です。

狭小邸宅の感想※ネタばれ注意

この『狭小邸宅』。
有名私立大学を卒業するもなんとなくで就職活動に取り組んだ結果、不動産会社で営業マンとして働く20代の男性が主人公です。

ここで描かれる不動産会社の労働環境がなかなかハード。
うわさでは不動産営業のきつさや厳しさを聞いたことはありましたが、ここまできつい会社があるのかと思ってしまうほどのレベル。

いわゆるブラック企業にフォーカスを当てた小説かなと思わせる出だしです。

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読み進めていくうちに主人公の成長(変化)していきます。この辺の流れはお仕事小説の定番ですね。

ただここからが違います。主人公は成長し、売れない営業マンから売れる営業マンへと変わります。
収入も格段に増え、身に着けるものも高級になります。

社内の評価も上がり、順風満帆かと思わせられます。

売れない営業マンとしてのエピソードである前半、次第に成長していく主人公を描いた中盤、そして物語の後半では働くとは何かと考えさせられる展開に。
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結局のところ、あらゆる読み手を想定した複雑な作りの小説に仕上がっていて、自分自身がどの立場の視点で読んでいるかで見える景色が変わる。そんな深みのある一冊でした。

仕事ってお金だけあればいいのか?という誰でも思いつきそうな単純な疑問の先にある「闇」というか、そういうところをぐさりとえぐられるような作品。そして結論を描かないラストにどきりとします。

思わず主人公が見つけた結論が欲しいという考えてしまいますが、それ自体が他人任せにしていると気付き、はっとしました。
自分の人生をどう生きるかは自分自身が決める。

他人の生き方に答えを見出そうという生き方を知らず知らずにしていることに気付かされましたね。

不動産に興味がある人にもおすすめしたい

舞台は東京であるため、東京の住宅事情に関する情報がリアルに描かれています。
不動産って誰しもが手に入れるものという認識がありますが、現実は違います。その現実をこれでもかと見せつけてくれます。

自分は大手企業だからこれぐらいの家(例えば、良い立地で、大きな家など)に住みたいと考えている方は、参考に読んでおくと現実が分かるかなと。

家を売る側の視点で描かれている物語に触れることで、不動産(家を買うということ)の違った側面が見れてとても勉強にもなります。

仕事自体のやりがい以上に周りからの評価が気になる

主人公は有名私立大学出身の高学歴です。そのため、大学時代の友人は皆、華やかな企業に就職をしています。
一方、主人公は中堅不動産会社で厳しい労働環境の中、働いています。

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そんな自分自身の仕事にどこか誇りを持てないでいて、そして昔の友人に心のどこかで嫉妬(後ろめたさを含んだ)している主人公に共感する部分がありました。

自分の仕事なり、会社名なりを人に伝えるときに、良い評価をもらいたいというのはエゴです。
そんなのはただのエゴだと分かっていながらそれに縛られる。その姿にとても共感し、考えさせられました。

まとめ

自分なりの人生ポリシーがある人は強い。

自分はどの道で行くのか、人生の基本方針を早めに決めたほうがいいだろうね。そのほうが、その人なりの人生が楽しめるんじゃないかな。俺の人生の基本方針?当然「適当」だよ!
by 高田純次

どの仕事を選ぶのか。社会人経験のない学生時代にこの選択を的確にできる人は少ないと思います。
ただ、どんな人生がいいのか。人生のポリシーをしっかりと持つことはできます。その上でどの会社ならポリシーに近い生き方が出来そうかと考えられるならば、本書の主人公のような迷いや葛藤は生まれないのか。

ここまで考えて、それは絵に描いた餅で、やはりどんだけ明確に人生ポリシーを決めたところで人生に迷いは生じると思いました。
考えに考え続けた果てに、明確なポリシーになるのかと。そこまでたどり着くのがあと何年後、何十年後なのだろう。

サクッと読めるので考えさせられるラストを是非味わってみてください。

ほいなら!

おすすめしたい本

ぶれない人生ポリシー。全力に「適当」を貫く姿勢に、すごさを感じます。

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